原発について調べてみた


どうも、原発のことがよく伝わってこない。
マスコミも正式発表を受けての報道なので、大学教授とか出演しても「こういう可能性もあります」とかばかりでよく理解できない。
だいたい、あまり意識したことのない私でも「原発=隠ぺい体質」という思考回路が出来上がっている。


管首相の姿が見えなくなってしまったことだし、国会ではどれぐらい原発の安全性について議論されていたのか気になった。
で、以前、教科書無料化について調べたことのある


―― 「国会会議録検索システム」 ――
 


を使って、原発について調べてみました。


で、「原発地震津波」で検索してみた。
17件ヒット。
日本は地震国なのにこんなに議論が少くないことに、驚いた

001 174 参議院 決算委員会
        9号 平成22年05月14日
002 174 衆議院 経済産業委員会
        7号 平成22年04月09日
003 174 参議院 災害対策特別委員会
        3号 平成22年03月29日
004 166 衆議院 内閣委員会
        2号 平成19年02月21日
005 165 衆議院 内閣委員会
        3号 平成18年10月27日
006 164 衆議院 予算委員会第七分科会
        2号 平成18年03月01日
007 162 衆議院 予算委員会公聴会
        1号 平成17年02月23日
008 162 参議院 本会議
        2号 平成17年01月25日
009 155 参議院 経済産業委員会
        12号 平成14年12月10日
010 154 参議院 環境委員会
        16号 平成14年05月30日
011 154 参議院 行政監視委員会
        5号 平成14年05月20日
012 136 衆議院 予算委員会第六分科会
        1号 平成08年02月29日
013 132 衆議院 予算委員会公聴会
        2号 平成07年02月09日
014 127 衆議院 災害対策特別委員会
        2号 平成05年08月24日
015 101 衆議院 決算委員会
        3号 昭和59年03月26日
016 84 衆議院 災害対策特別委員会
        4号 昭和53年02月16日
017 72 参議院 商工委員会
        19号 昭和49年05月30日


津波については、昭和49年5月の時点から危険性を指摘されています。

村田秀三君(当時・社会党
 やはり、何と言っても発電所の安全性がこれからも議論されると思うんですが、福島第二原発、これは第二原発ばかりじゃありませんが、現在建設中のものもそうでございますけれども、私らが非常に不安に思う部分というのは、これは一つの仮想、仮定ということもありましょうが、しかしながら施設でありますから、これは地震とかあるいは津波であるとか、そういう不測の事態によって施設が破壊される、こういう問題を常に念頭から除去することはできないんです。究極安全であるという、そういう保証があるのかないのか、これはどうですか。


という質問が見られます。
第一原発ではありませんが……。


昭和59年3月には、一号炉の安全性について追及した後に低レベル廃棄物のドラム缶は大丈夫なのかという質問。

○中林委員(中林佳子・共産党) 今のお答えですけれども、本当に、日本海中部地震のようなことが起きて津波が襲えばもう完全に一号倉庫は波にのまれてしまうということで、もしドラム缶が海中にほうり出されれば大変危険な状況にあると言わざるを得ないわけです。そういう意味では、今、日本じゅうにドラム缶がたまりにたまって、何十万本とあるというふうに聞いております。また、その処理の方向もいまだに決まっていないということで、原発を抱えている地元では大変不安を感じております。


一部抜粋です。
このドラム缶に関しては、地中深くに埋めてるというCMがあったような気がします。


平成に入ってからも「津波」に対しての質問があります。

平成5年8月
○佐藤(静)委員 ちょっと時間がなくなってしまったので急いで聞きたいと思います。
 原子力発電所等の設置町村泊村、後志管内の泊村は原子力発電所を持っておりますけれども、その隣の神恵内村でも相当大きな被害を受けたわけですが、原子力発電所の設置町村及び周辺地域が、もしも奥尻並みの地震が、津波が来たら、一体どうなるのだろうかという不安が非常にあるわけですね。もちろん原発をつくるときには、地震の対策、津波の対策は十分にしておるわけでありますけれども、今でも非常に不安を持っている。


これはもっとPR活動した方がいいということのようです。

平成7年2月(一部抜粋)
○藤井公述人  それから、時間がなくなったのですけれども、最後に、原子力発電所地震の問題です。
 今回の地震にかんがみて、建築物、高速道路、新幹線、いろんなところでの耐震規定の見直しが問題になっておりまして、これはもう見直しは必至であると思いますけれども、同時に多くの人が、いろんなものの安全神話が壊れた今日、原子力発電所は安全だと言ってきたんですが、それも本当に安全かどうか、安全神話が崩れるということがこの分野でもないだろうかということを心配していると思います。私は、ちょっと時間がないので結論的なことを言わざるを得ないんですが、原子力発電所についても安全神話が崩れる可能性は十分あるのではなかろうか、そういうふうに思います。
 例えば、それは浜岡の原発に限らず、各地域にある原子力発電所全般的に耐震規定のもう一度の見直しがされるべきだというのはもちろんなんですけれども、特に浜岡の原子力発電所ですね。これは、御承知のとおり、その発生時期を予知することは今のところ、予測は何年の何月と、そういうふうに言うことはできませんけれども、いずれ起こることは間違いない。しかも、想定される地震震源域の真上にあるわけです。真上にあるということはどういうことか。今、やれ水平加速度がどうとか縦揺れがどうかとか、そういうことが盛んに議論になっておりますけれども、浜岡は確かに一番厳しい地震力を想定していろんなことがされておりますけれども、自然力の怖さというのは人間の思惑を超えて作用することがあるんだということを我々は十分に考えるべきなんですね。
 阪神地震の場合でも、重力の加速度に逆らって地震力が働いた、そう思われる証拠はいろいろあります。新聞を見ても、小石が飛んだという話がありますけれども、小石が飛ぶということは、
人間の体もそうですけれども、小石も重力で引っ張られているわけですね。九百八十ガルで引っ張られているわけです。それに逆らって小石が飛ぶように力が働いたということです。八百三十三ガルなんてものじゃないんです。千ガルだって場合によっては考えなきゃいけないんですよ。
 それで、浜岡の原子力発電所にそういうものが作用したとき、例えば、ちょっとオーバーなことを言いますけれども、原子力発電所の建物、原子炉、それが全体として空中に持ち上げられて、次の瞬間にはどさんと落ちるというようなことが起こる可能性がゼロだということは言い切れないです。地震の起こり方も、必ずしも人間が今考えている思惑どおりに東海地震は起こってくれるとは限りませんから、非常に意地の悪い地震の起こり方をしたときに、今私が申し上げたようなことだって可能性がゼロではない、そういうことを言っておきたいというふうに思います。
 それで、私は、それを考えるときに、浜岡の原発は、現代の時代を生きる我々の英知として、一号炉、二号炉、三号炉、四号炉、直ちに撤廃すべきだと思います。
 以上です。(拍手)


この方は、学者さんのようです。
阪神大震災をふまえて、地震に対しての安全性を発言され、一号炉、二号炉、三号炉、四号炉を撤廃すべきと主張されています。

平成14年5月(一部抜粋)
○政府参考人(佐々木宜彦君) 今御指摘がありました地震あるいは津波といったような自然現象に対しての原子力の安全性についてでございますけれども、国の安全審査で耐震安全性を確認しているところでございますが、具体的には原子力安全委員会の耐震設計の審査指針に基づき、過去の地震活断層などから、近い将来起こり得るおそれのある最強の地震による地震動、あるいはこれを上回る限界的な地震による地震動、こうしたものを想定して、これに耐える設計であることを確認しております。
 また、津波に対しましても、安全審査に際しまして、想定される最大の津波の高さ、過去の津波であるとか、あるいは地震から想定される最大の津波の高さ、こうしたものに対して原子力発電所の敷地が安全な位置にあること、あるいは想定される最大の引き波に対しましても原子力発電所の安全性に支障がないことを確認し、審査をしております。


地震津波に対しての危険性についての答弁です。
政府はずっとこのスタンスですね。
このスタンスを堅持するために事故を隠蔽してきた歴史があるのでしょうね。

平成18年3月
○吉井分科員 日本共産党の吉井英勝です。
 きょうは、原子力発電所地震津波対策を取り上げたいと思います。
 津波に関しては、二階大臣も地元でお詳しい、一八五四年の安政南海大地震、あのときに、広川町の方で、当時は村だったと思いますが、「稲むらの火」、これは尋常小学校の教科書にも出てきたりしたものですが、あの中で、「村から海へ移した五兵衛の目は、」「風とは反対に波が沖へ沖へと動いて、みるみる海岸には、広い砂原や黒い岩底が現れてきた。」という記述があります。
 同様のことは、例えば、私、きょう女川町の町史を持ってきて見ているんですが、この中でも、ちょうど一九六〇年五月二十四日のチリ地震津波が日本へ来たとき、この地震の影響は、遠いところの話ですからほとんどないんですが、このときの津波というのは、女川町の消防団の方が望楼から見ておられて、この町史によりますと「勤務見張中湾内は異常な干潮で、両魚市場から金華山一の鳥居、越木根にかけて海底が見えるほどであつた」と。
 だから、津波の場合は、大体、押し波の、高い方の被害がよく話題になりますが、引き波の問題というのも随分ありまして、女川町の議員の方がその記録に基づいて海図で当たってみると、六メートル基準水位から下がっていた、こういうこともあります。それから、ちょうど二〇〇四年の十二月二十六日に発生したスマトラ沖地震、あのときも、報道などによりますと、インドネシアのシムル島では海岸線から三百メートル沖までずっと海が引いていったということもあります。
 では、引いている周期はどれぐらいかというのも、日本にもその記録は結構ありまして、一九六〇年五月二十四日のチリ津波のとき、あのときは三陸海岸で五十分前後。ですから、引き波の状態がずっと、どんどん水位が下がっていく状態が二十五分、実際、うんと引いているときは二十五分間というわけじゃありませんけれども、非常に長い時間にわたって潮が引いていった。
 ですから、津波対策の一つに、やはり引き波がどのような規模になるかの検討というのはきちんとやっておかなければ、これは経産省所管でいいますと、火力発電所もそうですし、石油化学コンビナートの冷却水もそうですし、原発についてもそうなってきます。
 そこで、政府参考人に最初に伺っておきますが、基準海水面から四メートル下がったとか五メートル下がったとか六メートル下がったとか、いろいろあるわけです。検潮所の記録であるとか現地調査のデータ、それから、経産省でいえば、お金を出している情報収集衛星がありますね、あれの写真と海図とを突き合わせて調べるとか、この間、陸域観測衛星の「だいち」の方は、文部科学省を中心に、レイテ島の地すべりの、かなりよくわかる映像を送ってきたりとか、そういう記録というのはちゃんとあるわけですが、やはりそういうものを通じてデータをきちんと得ているのかどうか、このことを最初、参考人に伺っておきます。


これはかなり具体的に津波に対しての危険性を指摘されています。
冷却機能が無くなってしまうことは、分かっていたようですね。
老朽化についても危険性が指摘されていたようです。

答弁(一部抜粋)
○二階国務大臣 先ほど来吉井議員のお話を伺いながら、原子力、そして同時に引き波のことについて何らかの資料を準備しておかなきゃいけないのではないかなということをしきりに考えておりました。


危機感は考えていた。でも、対策まではいかなかったようです。
この共産党の吉井氏は学者さんなんですかね、このあとも平成18年10月に質問されています。

○吉井委員  では、内部電源の方はどうなっているかというと、こちらの方は、実際には九九年の志賀一号だとか、八八年の志賀二号とか、九九年二月や九八年十一月の敦賀の事故とか、実際に、バックアップ電源であるディーゼル発電機自身が事故をやって働かなくなった、あるいは、危ないところで見つけはしたけれども、もし大規模地震と遭遇しておれば働かなかったというふうに、配管の切断とか軸がだめになっていたものとかあるわけです。そういう中で、スウェーデンのフォルスマルク原発一号では、バックアップ電源が四系列あるんだけれども、同時に二系列だめになった、こういう事故があったことは御存じのとおりです。
 それで、日本の原発の約六割は、バックアップ電源は三系列、四系列じゃなくて二系列なんですね、六割は。そうすると、大規模地震等によって原発事故が起こったときに、本体が何とかもったとしても機器冷却系に、津波の方は何とかクリアできて、津波の話はことしの春やりましたけれどもクリアできたとしても、送電鉄塔の倒壊、あるいは外部電源が得られない中で内部電源も、海外で見られるように、事故に遭遇した場合、ディーゼル発電機もバッテリーも働かなくなったときに機器冷却系などが働かなくなるという問題が出てきますね。このときに原子炉はどういうことになっていくのか、この点についての原子力安全委員長の予測というものをお聞きしておきたいと思うんです。
 それが一点と、もう一点は、機器冷却系が働かないと当然、崩壊熱の除去ができませんから、崩壊熱除去ができないことになったときに、核燃料棒のバーンアウトの問題、これは海外でそういう例もありますけれども、こちらの方はどうなっていくのかという原子炉の安全にかかわる問題について、この場合、どのように想定して、そして審査を進めておられるか、これを伺います。


日本の原発の6割は、バックアップ電源が2系統しかないことに対しての危険性を指摘されています。
まるで、今回の事故を暗示しているようです。


答弁(一部抜粋)

○鈴木参考人 最近、耐震安全に係る指針を改定いたしました。そういうことで、さらに耐震設計を基本的には厳しくしていきたい、こう考えておりますが、そういう中でも、さらに、残余のリスクと称しておりますけれども、そういうような基準をさらに超えるような大変大きな地震が来たときには、では、どうなのかということも、これは事業者に、そういうことも評価してください、評価した結果、そういうことがまず起こらないことを数字で確認するか何らかの方法で確認してください、そういう方針で今考えております。


んー。
こういうところは、事業者任せなんですね。
原発を所有している東電は企業だからでしょうね。
しいものです。


まだ、このあとにもいろいろ質問等ありますが、長くなるのでこれくらいにしておきます。
早くから地震津波に対しての危険性は指摘されていたんですね。
特に共産党の吉井氏は、まさに今の事態を危惧していたようです。
でも、対策されることは無かった。
未曾有の災害に襲われたとはいえ、これでは人災と言われても仕方ないような気がする。


そもそも論になってしまうが、
非常用電源の燃料タンクを地下に設置するとか、老朽化したものは廃炉にするとか、非常用発電機は高いところに設置するとか、対策がされていればよかったのにと思います。
報道されていないが、他の原発や使用済み燃料を保管しているところは大丈夫なんでしょうか。
少し不安です……。


第一原発では、大勢の方が命がけで対応作業されています。
公明党も含め、「政治家」は安全性をないがしろにしてきたツケを現場で働く人たちや近隣の住民に押し付けていることを自覚しなくてはならないと思う。
与党も野党も関係ない。全国会議員が考えるべきだ!
何かあった時に、これだけの被害が出るものを一企業に任せていることにも疑問を感じる。


地震の対応も含め、これを機に、災害対策の有効的なシステムを構築していただきたいものです。


まだ、出口も見えていませんが、危険な原発で作業されている方が、元気に帰ってこられることを念願しています。
また、災害で亡くなられた方の御冥福を祈るとともに、被災者の方には心よりお見舞い申し上げます。


まだまだ、支援品のいき届いていない避場所もあるとのこと。
早く対応してもらいたいものです。
被災地での米軍・自衛隊・各国からの支援隊・消防・警察等の働きには頭が下がります(感謝)
されている方、ボランティアなどで奮闘されている皆様の御健康をお祈りしています。
大したことはできませんが、同じ日本人としてこの災害を乗り越えていきましょう。